「志望理由書には、教員の名前を書いたほうがいい」
そう聞いたことがあるかもしれません。これは正しいアドバイスです。
具体的な教員名が入っている志望理由書は、「調べてきた学生」という印象を与えます。実際、評価されやすくなります。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
名前だけ書いて、研究内容を知らない。
これをやると、教員名を書かなかった場合よりも、はるかに悪い結果になります。
面接で、必ず聞かれます
なぜ危険なのか。理由は1つです。
面接で聞かれるからです。
志望理由書に「△△教授のゼミで学びたい」と書いた学生に、面接官はこう聞きます。
「△△教授は、どんな研究をされていますか」
これは、意地悪な質問ではありません。当然の質問です。
その先生のもとで学びたいと自分から書いたのですから、その先生の研究について説明できるはずだ——面接官はそう考えます。
そして、多くの学生が、ここで答えられません。
答えられなかったとき、何が起きるか
沈黙が生まれます。
そして面接官は、瞬時に理解します。
「この学生は、教員紹介ページで名前を見ただけだ」 「研究内容は、まったく調べていない」
一度そう判断されると、その学生の志望理由書全体が、疑われます。
「教員名だけでなく、他のことも調べていないのではないか」 「この志望理由書は、本当に自分で書いたのか」
名前を書いたことが、かえって自分の首を絞めるのです。
書かなければ、少なくとも「調べていないことがバレる」ことはありませんでした。
なぜ、こういうことが起きるのか
悪気があるわけではありません。多くの場合、次のような流れです。
- 「教員名を書くと評価される」と聞いた
- 大学のサイトで教員紹介ページを開いた
- 自分の興味に近そうな分野の先生を見つけた
- その名前を志望理由書に書いた
- そこで終わった
問題は、4と5の間です。
名前を見つけたところで、調査を止めてしまう。 ここが最大の失敗です。
教員名を書くなら、ここまで調べる
では、どこまで調べればいいのか。
最低限、次の3つは確認してください。
1. その教員の「研究テーマ」
教員紹介ページには、たいてい専門分野・研究テーマが書かれています。
「都市社会学」「比較教育学」「消費者行動論」——このようなキーワードが載っています。
まず、これを読んでください。そして、その言葉の意味を理解してください。
2. その教員の「担当授業」
シラバスを見れば、その先生がどんな授業を担当しているかがわかります。
授業の内容・到達目標まで読むと、その先生が何を教えているかが具体的にわかります。
3. その教員の「論文・著書」
多くの大学の教員紹介ページには、主な論文・著書のリストが載っています。
タイトルを読むだけでも、研究の方向性がつかめます。可能であれば、要旨(アブストラクト)まで読めると理想的です。
論文が難しくて読めない場合でも、タイトルから研究テーマを推測することはできます。
面接で答えられるレベルとは
「どこまで理解すればいいのか」
目安は、こうです。
「△△教授は、○○という分野で、△△について研究されています。特に、□□という視点に関心を持ちました」
このくらい言えれば、十分です。
論文の中身を専門家のように説明する必要はありません。「調べた」ことが伝われば、それで目的は達成されます。
正直に言う勇気も、評価される
もし面接で聞かれて、十分に答えられなかったら。
知ったかぶりをしないでください。
「申し訳ありません。研究テーマは○○だと理解していますが、詳しい内容まではまだ理解できていません。入学後に、しっかり学びたいと考えています」
この答え方のほうが、はるかに評価されます。
面接官は、あなたが完璧であることを期待していません。誠実であることを期待しています。
適当なことを言ってごまかそうとすると、専門家である面接官には、すぐに見抜かれます。そして、そのほうがずっと印象が悪くなります。
教員名を書かない、という選択もある
現実的な話をします。
調べる時間がない。研究内容が難しくて理解できない。そういうこともあります。
その場合、教員名を書かないという選択も、十分にあり得ます。
教員名を書かなくても、志望理由書は成立します。代わりに、次のような具体的な情報で「調べたこと」を示せます。
- 授業名(シラバスで確認できる)
- カリキュラムの特徴
- 学部独自のプログラム名
これらのほうが、研究内容より理解しやすいことも多いです。
中途半端に教員名を書いて面接で沈黙するより、書かないほうがましです。
まとめ
- 教員名を書くこと自体は、正しい戦略
- ただし、必ず面接で研究内容を聞かれる
- 答えられないと、名前だけ書いて調べていないことが一目でわかる
- 書くなら、研究テーマ・担当授業・論文タイトルまで確認する
- 面接で答えられなければ、正直に言う(知ったかぶりは最悪)
- 調べる時間がなければ、書かないという選択もある
教員名は、強力な武器です。
しかし、使い方を間違えると、自分に向いてしまう武器でもあります。
書くなら、責任を持って調べてください。
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