面接で、最も答えに困る質問かもしれません。
「他に受験している大学は、ありますか」
そして、続けてこう聞かれることもあります。
「本学は、第一志望ですか」
多くの学生が、ここで固まります。
「正直に言ったら、落とされるのでは?」 「うそをついたほうがいいのでは?」
この記事で、この質問の意図と、答え方の考え方を説明します。
結論:うそをつく必要はありません
まず、最も大切なことを言います。
他の大学を受験していること自体は、まったく問題ではありません。
大学も、それは十分に理解しています。
複数の大学を受験するのは、当たり前です。1校しか受けない受験生のほうが、はるかに少ないでしょう。
面接官も、そのことを知っています。だから、「他も受けています」と答えて、それだけで落とされることはありません。
この質問の意図
大学が確認したいのは、次の2つです。
1. 受験状況の確認
単純に、あなたがどのくらいの規模で受験しているのかを知りたいのです。
これは、入学者数の見込みを立てるためでもあります。大学は、合格を出した学生のうち何人が入学するかを、常に予測しています。
2. この大学への「志望度」
こちらが本題です。
「本学は、第一志望ですか」
この質問が続くことは、多いです。
「第一志望ですか」に、どう答えるか
ここが、最も難しいところです。
ケース1:本当に第一志望の場合
素直に、「はい、第一志望です」と答えてください。
そして、その理由を続けて話せると、非常に強いです。
「はい、第一志望です。○○という授業と、△△教授の研究に強く惹かれており、この大学でなければ学べないと考えています」
理由が言えれば、説得力が生まれます。
ケース2:第一志望ではない場合
ここが問題です。
うそをつくべきか?
答えは、「うそをつく必要はない」です。
ただし、言い方には工夫が必要です。
「第一志望ではない」場合の考え方
正直であることと、無神経であることは違います。
❌ やってはいけない答え 「いいえ、A大学が第一志望です。ここは滑り止めです」
——あまりにも正直すぎます。 面接官の目の前で「あなたの大学は second choice です」と言うのは、礼儀の問題として避けるべきです。
⭕ 考え方の方向性
大切なのは、「なぜ、この大学を受験しているのか」を語ることです。
他の大学も受けている。それは事実です。
しかし、この大学を受験している理由も、必ずあるはずです。
- この大学の、この授業に関心がある
- この大学の、このプログラムで学びたい
- この大学の教育方針に共感している
その理由を、誠実に語ってください。
「他の大学も受験していますが、貴学の○○という点に強く惹かれており、ぜひ学びたいと考えています」
うそはついていません。 そして、志望の理由も伝わっています。
なぜ、うそをつくべきではないのか
「第一志望です」と言っておけばいい。そう思うかもしれません。
しかし、うそは危険です。
理由は3つあります。
理由1:掘り下げられると、崩れる
「第一志望です」と答えると、面接官はこう聞きます。
「では、なぜ本学が第一志望なのですか」
ここで、具体的な理由を答えられなければ、うそだとわかります。
「有名だからです」「教育環境がいいからです」——これでは、第一志望の理由になりません。
理由2:誠実さは、見抜かれている
面接官は、毎年何十人もの学生と話しています。
うそをついているときの、目の動き、声のトーン、間の取り方。 それらは、驚くほど伝わります。
そして、「誠実でない学生」という印象は、致命的です。
理由3:正直さは、それ自体が評価される
これは、多くの学生が誤解していることです。
正直に話す学生は、評価されます。
「他の大学も受けていますが、貴学のこの点に惹かれています」
この答え方をする学生に、面接官は好感を持ちます。 誠実で、かつ、この大学のことをきちんと考えている、と。
「志望度」は、答えの内容で示す
最も大切なことを言います。
志望度は、「第一志望です」という言葉で示すものではありません。
答えの中身で示すものです。
- 大学を、どれだけ調べたか
- 授業名を、具体的に挙げられるか
- 教員の研究内容を、説明できるか
- 入学後の計画が、具体的か
これらすべてが、志望度の証明です。
「第一志望です」と100回言うより、シラバスで見つけた授業名を1つ挙げるほうが、はるかに志望度が伝わります。
そして——これらの準備をしてきた学生を、面接官は「本気だ」と判断します。 他の大学を受けているかどうかは、その判断を覆しません。
答え方の基本
まとめると、次のようになります。
① 事実を、正直に述べる (他大学も受験している、など) ↓ ② この大学を志望している理由を、具体的に語る (授業名・教員名・プログラム名など) ↓ ③ 学びたいという意志を、誠実に伝える
②が最も重要です。
ここに具体的な情報が入っていれば、「他も受けている」という事実は、まったく問題になりません。
「この大学に合格したら、入学しますか」
まれに、こう聞かれることがあります。
これは、大学が入学者数を予測するための質問です。
この質問に対しても、誠実に答えてください。
もし本当に入学するつもりなら、「はい」とはっきり答えてください。迷っているなら、「入学したいと考えています」という表現で、意志を伝えることができます。
まとめ
- 他の大学を受験していること自体は、まったく問題ない
- 大学も、複数受験が当たり前であることを知っている
- うそをつく必要はない。ただし、言い方には配慮を
- 「第一志望です」とうそをつくと、掘り下げで崩れる
- 正直さは、それ自体が評価される
- 志望度は、言葉ではなく答えの中身(調べた量)で示す
- 大切なのは、「なぜこの大学を受験しているのか」を具体的に語ること
この質問は、あなたを試す質問ではありません。
誠実さと、志望度を確認する質問です。
正直に、そして、この大学を志望する理由を、自分の言葉で語ってください。
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※この記事について
- 本記事で紹介する内容は、大学の入試業務を通じて見てきた傾向をもとにしています。
- 面接の質問・評価の基準は大学によって異なり、合格を保証するものではありません。
- 具体的な選考方法は、必ず各大学の募集要項を確認してください。