面接には、最も重要な質問があります。
「なぜ、本学を志望しましたか」
この質問への答えが弱いと、その後の面接全体の印象が下がります。
逆に、ここでしっかり答えられれば、面接官の見る目が変わります。「この学生は、本気だ」と。
この記事では、この質問の意図と、答え方を説明します。
この質問の意図
大学が確認したいのは、次の2つです。
1. この大学でなければならない理由があるか
「どこの大学にでも出せる理由」になっていないか。
2. きちんと準備してきたか
実際に、この大学を調べたのか。
つまり——身もふたもない言い方をすれば——「うちの大学のことを、調べてきましたか?」という質問です。
調べていない学生は、即座にわかる
面接官は、この質問への答えを聞いた瞬間、判断します。
「調べてきた学生」か、「調べていない学生」か。
区別は、驚くほど簡単です。
調べていない学生の答え
- 「貴学は有名で、伝統があるからです」
- 「教育環境が充実していると思いました」
- 「グローバルな学びに惹かれました」
- 「就職に強いと聞きました」
調べてきた学生の答え
- 「シラバスで□□という授業を見つけ、まさに自分が学びたい内容だと感じました」
- 「△△教授が○○について研究されており、その視点に強く関心を持ちました」
- 「◇◇というプログラムでは、実際に〜ができると知りました」
違いは、明らかです。
前者は、どの大学にも言えます。 後者は、この大学でしか言えません。
「有名だから」がなぜダメなのか
「貴学は有名だからです」
これが、なぜ評価されないのか。
日本には、有名な大学が何十校もあるからです。
「有名だから」という理由は、その何十校すべてに当てはまります。つまり、「この大学でなければならない理由」を、まったく説明していません。
面接官は、こう思います。
「有名な大学なら、どこでもよかったのでは?」
これは、大学にとって最も聞きたくない答えです。
パンフレットの言葉も、逆効果
もう1つ、やってはいけないことがあります。
大学のパンフレットやサイトのキャッチコピーを、そのまま言うこと。
「『グローバルリーダーを育てる』という理念に共感しました」
面接官には、すぐわかります。
なぜなら、その言葉を作ったのは、大学自身だからです。自分たちのキャッチコピーを返されて、感心する人はいません。
「この学生は、パンフレットの表紙しか見ていない」
そう思われるだけです。
答えに必要な「具体的な情報」
では、何を言えばいいのか。
具体的な情報です。
具体的な情報とは、次のようなものです。
① 授業名
最も使いやすく、最も効果的です。
シラバスを見れば、実際にある授業の名前がわかります。授業の内容・到達目標まで読んで、「この授業で、○○を学びたい」と言えるようにしてください。
授業名を1〜2個、具体的に挙げられるだけで、「ちゃんと調べてきた学生」という印象になります。
② 教員名と、その研究内容
「△△教授のもとで学びたい」
これも強力です。ただし、条件があります。
必ず、その教員の研究テーマを確認してください。
なぜなら、こう聞かれるからです。
「△△教授は、どんな研究をされていますか」
ここで答えられないと、名前だけ知っていて研究内容を説明できない学生として、逆効果になります。
教員名を出すときは、研究内容の説明とセットで。 これは絶対です。
③ プログラム・カリキュラムの特徴
その大学だけの特別なプログラム。カリキュラムの構成。ゼミの仕組み。
これらも、調べなければ知らない情報です。
答えの組み立て方
答えは、次の流れで組み立ててください。
① 自分が学びたいこと(志望理由書と同じ内容) ↓ ② それを学ぶために必要なもの ↓ ③ この大学に、それがある(具体的な情報) ↓ ④ だから、この大学を志望した
大切なのは、③です。 ここに具体的な情報が入っていなければ、答えになりません。
志望理由書と、同じことを言ってください
ここで、重要な注意があります。
面接官は、あなたの志望理由書を手元に持っています。
そして、志望理由書の「なぜこの大学か」の部分を読みながら、この質問をしています。
つまり、志望理由書に書いたことと、面接で言うことが違うと、すぐにバレます。
「面接では、もっとかっこいいことを言おう」と考えて、別の理由を用意する学生がいます。
やめてください。
書類と面接で違うことを言えば、「志望理由書は自分で書いていないのでは」と疑われます。
志望理由書に書いたことを、自分の言葉で、より詳しく話す。 これが正解です。
掘り下げられる質問に備える
この質問のあと、面接官は必ず掘り下げてきます。
- 「なぜ、他の大学ではなく、本学なのですか」
- 「志望理由書に△△教授の名前がありましたが、研究について教えてください」
- 「他にも似た学部はありますが、なぜ本学の学部を選んだのですか」
これらは、すべて「本当に調べたのか」を確かめる質問です。
調べていれば、答えられます。調べていなければ、答えられません。
逃げ場はありません。 調べるしかないのです。
調べる時間は、2〜3時間
「そんなに調べる時間はない」
そう思うかもしれません。しかし、1つの大学につき、2〜3時間です。
これから4年間通う大学です。人生を左右する選択です。
その選択に2〜3時間かけることは、決して多くありません。
そして、この2〜3時間が、面接で最も重要な質問への答えを作ります。
まとめ
- 「なぜ本学か」は、面接で最も重要な質問
- 意図は、「この大学でなければならない理由」と「調べてきたか」の確認
- 「有名だから」「教育環境が充実している」は、どの大学にも言えるためNG
- パンフレットのキャッチコピーも逆効果
- 必要なのは、授業名・教員名と研究内容・プログラム名などの具体的な情報
- 志望理由書と同じことを言う(違うことを言うと疑われる)
- 教員名を出すなら、研究内容の説明とセットで
この質問は、準備した人だけが答えられる質問です。
才能でも、日本語力でもありません。調べたかどうかだけです。
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※この記事について
- 本記事で紹介する内容は、大学の入試業務を通じて見てきた傾向をもとにしています。
- 面接の質問・評価の基準は大学によって異なり、合格を保証するものではありません。
- 具体的な選考方法は、必ず各大学の募集要項を確認してください。