海外に住みながら日本の大学を受験する場合は、入試の条件に加え、書類を届ける方法、試験を受ける場所、時差、合格後の入国手続きを確認する必要があります。「オンライン出願ができる」ことと「来日せずに選考が完了する」ことは同じではありません。
大学探しの段階で、海外在住者が申し込める方式か、選考のために渡日する必要があるかを確かめましょう。この記事では、確認事項を、出願前、選考、合格後に分けて整理します。
海外から申し込める入試方式か確認する
最初に、大学、学部・学科、入学時期、年度、入試方式をそろえます。同じ大学でも、国内在住者と海外在住者で、出願条件や手続きが異なる場合があります。
募集要項で、居住地に関する条件、教育課程、必要な語学試験、事前審査、国内連絡先の要否を確認してください。外国籍であることだけで、すべての留学生入試へ出願できるとは限りません。
国・地域によって教育制度や書類の呼び方が違う場合は、募集要項の説明を確認し、不明点を大学へ問い合わせます。自分で条件に当てはまると判断しにくい場合は、書類を発行する前に確認すると、準備のやり直しを減らせます。
渡日前入学許可の意味を知る
JASSOの渡日前入学許可の案内では、自国にいながら選抜を受け、入学許可を得られる制度について、EJUを利用する学校の一覧を掲載しています。
ただし、掲載されている大学のすべての学部・入試方式が同じ条件で利用できるとは限りません。一覧を入口に、対象となる学部、必要な成績、選考方法、入学時期を大学の最新要項で確認します。
渡日前入学許可と、オンライン面接は同じ言葉ではありません。書類選考や試験成績を使う方式も含め、選抜がどのように進むかを確認してください。また、この一覧だけで、すべての海外出願方式を調べ終えたとは考えないようにしましょう。
EJU・JLPT・英語試験の条件をそろえる
必要な試験は大学・学部・方式で異なります。EJUなら、科目、数学のコース、理科の組合せ、出題言語、利用できる実施回などを、対象年度の募集要項で確認します。
試験を受ける国・地域、受験できる会場、申込期限、成績が出る時期も予定表へ入れましょう。成績が出願締切までに使えるか、指定された実施回かを確かめないと、受けた試験を利用できない可能性があります。
試験の主催者が示す一般的な取扱いと、大学の出願条件を分けることが大切です。科目の確認には、EJUの科目の選び方も参考にしてください。今後の試験は、対象回の公式案内が出てから再確認します。
ウェブ登録と書類提出を別々に確認する
出願サイトへ入力できても、それだけで完了しない場合があります。検定料の支払い、写真登録、証明書のアップロード、原本の郵送など、要項にある工程を順番に並べてください。
海外の学校が発行する証明書については、使用言語、翻訳、証明方法、封の扱い、原本と写しの区別を確認します。一般的な翻訳サービスを使えば必ず受理されるとは限らないため、大学が指定する条件を先に読みましょう。
パスポート、試験成績、出願書類で、氏名の表記が違う場合も確認が必要です。自分で数字や氏名を修正して整えるのではなく、発行機関と大学へ、どの手続きが必要か相談してください。
郵送は締切の基準と配送日数を見る
「消印有効」と「必着」は意味が違います。海外発送に適用される条件、使用できる配送方法、大学が受け取れる曜日、追跡できるかなどを確認してください。国内発送向けの説明を、そのまま海外発送へ当てはめないことが大切です。
配送会社の予定日数は、必ずその日までに届くという保証とは限りません。休日、通関、天候などの影響を考え、発行書類を受け取る日から逆算して余裕を持たせます。
送付前に、提出する書類、控え、発送日、追跡番号を自分用に記録します。未着が心配なときは、大学の問い合わせ方法に従って連絡してください。追跡が配達済みになったことと、出願書類の審査が完了したことも区別しましょう。
時差とオンライン選考の環境を確認する
日本時間で示された締切や面接時刻は、自分の住む地域の日時へ変換します。サマータイムがある地域では、試験日の時点での時差を確認してください。日付が前日や翌日になる場合にも注意が必要です。
オンライン面接がある場合は、指定のシステム、本人確認の方法、使用できる機器、音声、カメラ、部屋の条件、接続テストの案内を確認します。大学の指示がない限り、通訳や他人の同席、補助資料の使用を自由に認められていると考えないでください。
通信が切れた場合の連絡先と手順も事前に控えます。メールしか使えないのか、指定の電話があるのかを確認し、予備の接続手段を準備できる場合は、その使用が認められるかも確かめましょう。
渡日受験が必要なら入国と旅費を別に計画する
日本で受験する方式では、試験日だけでなく、入国手続き、航空券、宿泊、会場までの移動を確認します。必要な査証は、国籍、居住地、渡航目的などにより異なります。友人の入国経験をそのまま当てはめないでください。
JASSOの入国手続き案内には、受験のための渡日と、合格後の留学に関する説明があります。査証免除の対象や具体的な必要書類は、自分の居住地を管轄する日本国大使館・総領事館等の最新案内で確認しましょう。
受験目的で入国した後、そのまま日本国内で必ず「留学」へ変更できると考えて予定を組まないでください。受験時の滞在と、入学後の在留手続きは分け、帰国が必要となる可能性も含めて公式窓口に確認します。
合格後は入学手続きとCOE・査証を進める
合格通知の受領後は、学費等の納付、入学意思の確認、大学への書類提出などを、指定期限までに行います。同時に、大学が案内する在留資格認定証明書、COEに関する手続きを確認してください。
JASSOは、COEの申請について、受入れ教育機関が代理で行う場合が多いと案内しています。大学の代理申請が使えるか、本人が用意する書類、提出期限、連絡方法を確認しましょう。入試に使った書類だけで、すべての準備が完了するとは限りません。
外務省の留学査証案内では、COEの所持によって査証発給が保証されるわけではないと説明しています。合格、COEの交付、査証、上陸許可は、同じ一つの結果として扱わないでください。処理期間も個別の案内を確認します。
経費の証明と生活費の計画をつなげる
留学の手続きでは、日本で学び生活するための費用をどのように準備するか、証明する資料を求められることがあります。必要な書類、対象となる人、発行時期、翻訳等の条件は、大学と申請先の案内で確認してください。
家族が費用を負担する場合は、残高の資料を用意することだけでなく、入学前の納付日までに送金できるか、渡日後の生活費をどう受け取るかも相談します。証明書をそろえたことと、実際の支払日に使えるお金があることを分けて考えましょう。
出願料、試験のための渡航、入学手続き、住居、来日の移動などを、月ごとに並べます。採用前の奨学金や、来日後に探すアルバイトを、確定した収入として不足分へ入れないようにしてください。
個人の口座や身分に関する書類は、大学や申請先が指定する方法で提出します。手続きを代わりに進めると申し出た相手でも、正式な窓口か、何の権限で扱うのかを確認することが大切です。
費用を整理する際は、留学生の生活費の立て方も参考にできます。概算のままにせず、大学と住居の実際の見積りが分かった時点で、計画を更新しましょう。
来日までの予定を担当者と期限で整理する
家族、出身校、大学、本人が別々の作業をする場合は、誰が何をいつまでに行うかを一枚の表にします。資金を準備する日、書類が発行される日、提出期限をつなげて確認しましょう。
| 段階 | 確認すること | 記録するもの |
|---|---|---|
| 出願前 | 資格、試験、必要書類 | 根拠の要項と質問の回答 |
| 出願 | 登録、支払い、郵送 | 完了記録と配送の控え |
| 選考 | 日時、場所、接続方法 | 日本時間と現地時間 |
| 合格後 | 納付、COE、査証 | 担当者と提出期限 |
| 来日前 | 住居、移動、大学の案内 | 入居日と開始日 |
連絡が来ない場合に備えて、大学からのメールを受信できる設定と、出願システムの確認方法も確かめます。個人書類は正式な提出先へ送り、SNSの相談相手などにまとめて渡さないようにしてください。
※この記事について
本記事は2026年10月にJASSO・外務省等の公式情報を確認して作成しました。表は編集部の準備用の提案です。出願資格、試験、書類、査証・在留手続きは、大学、試験実施機関、管轄する在外公館等の最新案内に従ってください。個人の出願・入国・在留の可否を判断するものではありません。