奨学金・お金

留学生の生活費の立て方 毎月の支出と入学前後のお金を分けよう

大学進学に必要なお金は、学費と毎月の生活費だけではありません。出願時、合格後、引っ越し、入学直後に、別の支払いが重なることがあります。年間の合計が足りていても、支払日に使えるお金が足りなければ困ってしまいます。

まず「何に使うか」と「いつ払うか」を分けて書きましょう。この記事では、留学生が生活費を見積もり、入学前後の資金を確認する手順を紹介します。金額の例は計算練習のための架空の数字です。

全国平均は予算の出発点として使う

JASSOの生活費案内には、外国人留学生の生活費として、学習研究費を除く月額の全国平均105,000円が掲載されています。出典は令和5年度、2023年度の私費外国人留学生生活実態調査です。

これは自分の生活に必ず必要な金額でも、2026年の家賃や物価を保証する数字でもありません。地域、住居、食事、通学方法によって支出は変わります。同じページの物価の例と留学生調査では、調査時点も違います。

平均から計算を始めたら、志望校のある地域の家賃や、自分が使う交通経路の料金など、現在の条件に置き換えてください。まだ調べていない項目はゼロにせず、「未確認」と書いて調査先を決めます。

毎月ほぼ決まる支出を先に並べる

最初は家賃、共益費、通信費、通学費など、毎月の支払いを整理します。電気・ガス・水道は季節や契約、使用量で変わるため、過去の安い月だけを使って予算を決めないようにしましょう。

寮費に何が含まれるかも確認が必要です。家具、食事、水道光熱費、インターネットが含まれる寮と、別に支払う寮では、月額の見え方が違います。家賃だけを比較して結論を出すと、総額が逆転することがあります。

保険料や年金の支払いについても、対象や手続きを確認します。申請中の軽減や猶予を、すでに認められたものとして予算から外さないでください。支払いが難しい場合の相談先も一緒に記録しておくと安心です。

食費などの変動費には自分の生活を入れる

食費、日用品、衣服、交際費などは、毎月同じとは限りません。「節約する予定」だけで小さく見積もるより、現在の支出を一週間記録し、何に使っているか確かめる方が具体的です。

自炊をするなら、食材代に加えて調理器具や食器を買う時期も考えます。アルバイトや授業が遅い日に外食が増える人は、その日の食事を無理のない形で予算に含めましょう。できない生活を前提にした計画は続きにくくなります。

医療、家電の故障、帰省など、不定期に起こる支出もあります。すべてを正確に予想することはできませんが、毎月の支出とは別に予備費の欄を作ると、使ってよい残額を判断しやすくなります。

入学前後の一度だけの支払いを別表にする

出願料、試験会場までの交通費、宿泊費、入学手続金、引っ越し費用、住居の初期費用、教材や機器の購入費を並べます。必要な項目は大学と住居によって違います。すべての人に同じ費用がかかるわけではありません。

大学の納付金は、募集要項と合格後の手続案内で、金額、支払期限、分納の有無、返還条件を確認してください。奨学金や減免に申し込む場合も、納付を先に求められるか、採用後に精算されるかを確認する必要があります。

住居の敷金、礼金、仲介手数料、保証料なども、契約ごとの見積書で確認します。JASSOの住居案内を入口に、寮とアパートの違いを把握し、実際の契約条件へ進みましょう。

収入は確定しているものと未確定のものに分ける

家族からの送金、自分の貯金、採用済みの奨学金、アルバイト収入を分けます。申請中の奨学金や、これから探す仕事の収入は「未確定」とし、それがなくても支払えるかを確認してください。

送金では、現地通貨の金額と日本円で実際に受け取る金額が違うことがあります。為替相場だけでなく、送金手数料、着金までの日数、送金できる日も確認します。締切当日に初めて送金の手続きをする予定は避けたいところです。

アルバイトは、学業、許可の範囲、勤務時間に制約があります。最大限働けるという想定で、学費の不足を埋めようとしないでください。資格外活動許可と働く時間の確認も参考に、収入が減った月の計画を作ります。

月ごとの残高を計算する

基本の式は「月初の残高+その月に使える収入-その月の支出=月末の残高」です。貯金の総額だけを見るのではなく、月末の残高が途中で不足しないかを確かめます。

以下は計算方法を示す架空の例で、学校や住居の料金の目安ではありません。月初の残高と月末の残高をつなげ、入学時に大きな支払いがあることを見えるようにしています。

月月初残高収入生活費学費・初期費用月末残高
3月800,000円100,000円100,000円300,000円500,000円
4月500,000円100,000円110,000円400,000円90,000円
5月90,000円100,000円110,000円0円80,000円

この例では残高はマイナスになりませんが、4月以降の余裕は小さくなります。追加の教材費などが発生しても対応できるか、送金日が遅れた場合にどうするかを考える必要があります。

楽観的な条件を一つ外して見直す

予算ができたら、未採用の奨学金を除く、アルバイト収入を少なくする、引っ越し費用が増える、という条件で再計算します。すべてが予定どおりに進んだ場合だけで判断しないための確認です。

不足が出る場合は、支払期限のある項目から相談します。大学の納付窓口や留学生担当に、利用できる制度、申請期限、必要書類を確認しましょう。相談しただけで延納や減免が認められるわけではないため、回答と手続結果も記録します。

生活費を減らすときは、安全な住居や食事、通学に必要な費用を極端に削らないようにしてください。住居条件や通学時間を含めて比較し、継続できる生活を考えることが大切です。

支払いに使えるお金の場所も確認する

貯金があっても、支払いに使う口座へ移す必要がある場合や、振込みの利用上限に確認が必要な場合があります。大きな納付の前には、大学の指定方法と、自分が使う金融機関の手続きを確かめてください。

月の収支が合っていても、収入より先に引落しがあると残高が不足します。支払日と入金日を日付順に並べ、同じ月の合計だけで判断しないようにしましょう。納付後は受付や入金確認の方法も確認します。

家族と共有するのは総額と支払時期

家族には「日本で一年暮らす金額」だけでなく、入学前に必要な金額、毎月の送金額、大きな支払日を見せます。金額の根拠となる大学の案内や住居の見積書も一緒に確認すると、認識の違いを減らせます。

送金する人、手続きする人、着金を確認する人を決めておきましょう。口座番号などの個人情報は、公開する予算表や相談掲示板には載せず、必要な相手に安全な方法で共有します。

進学先や住居が決まったら、概算を実際の金額に更新してください。日付と根拠を残せば、古い見積もりを使い続けることも防げます。奨学金の調べ方は、申請窓口と時期の確認記事で確認できます。

※この記事について

本記事は2026年10月にJASSOの公表資料等を確認して作成しました。本文の整理方法と架空の計算例は編集部による提案です。掲載した調査平均は個人の必要額を示すものではありません。学費、住居、保険、奨学金等の実際の金額と条件は、大学・自治体・契約先の最新案内で確認してください。

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