進学対策

志望理由書の基本構成【留学生版の型】

「何から書き始めればいいのか、わからない」

志望理由書を前にして、手が止まってしまう。留学生から最もよく聞く悩みです。

理由は簡単で、書く順番を知らないからです。

志望理由書には、読む側が「わかりやすい」と感じる基本の流れがあります。この流れに沿って書けば、それだけで論理的な志望理由書になります。

この記事では、その「型」を紹介します。

志望理由書の6つの要素

志望理由書に入れるべき要素は、次の6つです。この順番で書いてください。

① 日本で学びたい理由

なぜ母国ではなく、日本の大学で学ぶのか。

まずここを示します。「日本が好きだから」では足りません。日本でなければ学べない理由、日本で学ぶ意味を書きます。

② その分野に関心を持ったきっかけ

いつ、どんな経験から、この学問分野に興味を持ったのか。

ここで具体的な経験を書くことで、志望動機に根拠が生まれます。抽象的な理由ではなく、あなた自身に起きた出来事を書いてください。

③ この大学・この学部を選んだ理由 ★最重要

なぜ、数ある大学の中から、この大学を選んだのか。

6つの要素の中で、ここが最も重要です。

大学のカリキュラム、教員名、授業名、プログラム名など、実際に調べた具体的な情報を入れてください。

大学名を変えても成立してしまう内容では、まったく不十分です。「この大学でなければならない理由」を、必ず書きます。

④ 入学後に学びたいこと

どの授業で、どのゼミで、何を学びたいのか。

具体的な学習計画を示すことで、入学後のイメージが伝わります。ここも、実際に調べた情報が必要です。

⑤ 卒業後の目標

大学での学びを、どう活かし、何を実現したいのか。

学ぶ目的と、将来のビジョンを示します。ここが曖昧だと、「なぜ学ぶのか」が伝わりません。

⑥ 自分の経験・強みとのつなげ方

母国での経験や、自分の背景が、なぜこの目標につながるのか。

「この学生だから書ける」という独自性を示す部分です。他の誰でもない、あなたが書く理由がここにあります。

この6つを、なぜこの順番で書くのか

順番には意味があります。

読む側の頭の中を追ってみましょう。

① なぜ日本なのか      → 日本を選んだ理由がわかった
② なぜこの分野なのか  → 興味のきっかけがわかった
③ なぜこの大学なのか  → 本気で調べていることがわかった
④ 何を学ぶのか        → 入学後の姿が想像できた
⑤ 何のために学ぶのか  → 学ぶ目的がわかった
⑥ なぜあなたなのか    → この学生を取る理由がわかった

大きい話から、だんだん具体的な話へ。そして最後に「あなた自身」に着地する。

この流れになっていると、審査する側は迷わずに読めます。逆に、順番がバラバラだと、何度も読み返さなければならず、それだけで印象が悪くなります。

③が最重要である理由

もう一度、強調します。

③「この大学・この学部を選んだ理由」が、志望理由書の中心です。

なぜなら、①②④⑤⑥は、正直に言えば、他の大学に出す志望理由書でも似た内容になり得るからです。

日本で学びたい理由。分野への興味。将来の目標。これらは、A大学に出しても、B大学に出しても、そう大きくは変わりません。

しかし③だけは違います。③だけは、その大学のことを調べなければ書けません。

だからこそ、審査する側は③を見ます。ここが薄い志望理由書は、「うちの大学でなくてもいいのでは」と思われてしまいます。

よくある失敗:6つの要素が「並んでいるだけ」

型どおりに6つを書いた。それでも評価されないことがあります。

原因は、要素がつながっていないことです。

❌ つながっていない例

  • 日本が好きなので日本で学びたい
  • 高校のとき経済に興味を持った
  • 貴学は有名で伝統がある
  • 経済学を学びたい
  • 将来は国際的な仕事がしたい
  • 私は努力家です

一つひとつは間違っていません。しかし、バラバラです。互いに関係していません。これでは、6つの独立した文章が並んでいるだけです。

⭕ つながっている状態

②のきっかけが、④で学びたいことにつながる。 ④で学ぶことが、⑤の目標を実現するために必要である。 ⑥の自分の経験が、②のきっかけと⑤の目標の両方を支えている。 そして③で、その学びがこの大学でこそできることを示す。

1本の線がつながっている志望理由書は、強いです。

文字数によって、書き方は変わる

大学によって、指定される文字数は違います。300字のこともあれば、1200字のこともあります。

文字数が変われば、6つの要素の配分も変わります。

たとえば300字の場合、6つの要素すべてを均等に書こうとすると、1要素あたり50字しかありません。それでは何も言えません。

そこで、優先順位をつける必要があります。何を厚く書き、何を短くまとめ、何を省略するのか。この判断が、短い志望理由書では特に重要になります。

文字数ごとの具体的な配分は、教材でくわしく解説しています。

まとめ:まず型を守る

自分らしい志望理由書を書きたい。その気持ちはよくわかります。

しかし、型を無視した「自分らしさ」は、ただの読みにくさです。

まずは6つの要素を、この順番で書いてみてください。型ができてから、自分の言葉で肉付けしていく。この順序を守れば、志望理由書は必ず形になります。

そして、③「この大学を選んだ理由」だけは、絶対に手を抜かないでください。ここが、合否を分けます。


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※この記事について

  • 本記事で紹介する内容は、大学の入試業務を通じて見てきた傾向をもとにしています。
  • 審査の基準は大学によって異なり、合格を保証するものではありません。
  • 具体的な出願要件は、必ず各大学の募集要項を確認してください。

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