志望理由書で最も重要なのは、「なぜこの大学なのか」です。
そして、ここを書くためには、大学を調べるしかありません。
調べれば書ける。調べなければ書けない。それだけの違いです。才能でも、日本語力でもありません。
この記事では、志望大学の何を、どこで、どう調べればいいのかを説明します。
大学の公式サイトで、必ず見るべき8つのページ
志望大学の公式サイトには、志望理由書に使える情報がたくさんあります。次の8つは必ず確認してください。
1. 学部・学科の案内ページ
学部の特色と、学べる分野の全体像がわかります。
2. カリキュラム・授業一覧
どんな科目があるかがわかります。具体的な授業名を書くために必要です。
3. シラバス(授業の詳細説明)
各授業の内容・到達目標・担当教員がわかります。最も価値のある情報源です。
4. 教員紹介・研究室案内
どんな先生が、何を研究しているかがわかります。
5. アドミッション・ポリシー
大学が「どんな学生に来てほしいか」が書かれています。
6. ディプロマ・ポリシー
卒業時に、どんな力が身につくかが書かれています。
7. 進路・就職情報
卒業生がどんな仕事に就いているかがわかります。「卒業後の目標」に現実味を持たせられます。
8. 外国人留学生の入試要項
出願条件・提出書類・試験内容がわかります。志望理由書の文字数や様式も、ここで確認します。
「3つのポリシー」を知っていますか
日本の大学には、3つのポリシーと呼ばれる方針があります。
留学生の多くは、この存在を知りません。しかし、これを読むと、大学が何を重視しているかがわかります。志望理由書を「その大学に合わせて」書けるようになります。
| ポリシー | 意味 |
|---|---|
| アドミッション・ポリシー(AP) | 「こんな学生に入学してほしい」という方針 |
| カリキュラム・ポリシー(CP) | 「こんな方法で学びを提供する」という方針 |
| ディプロマ・ポリシー(DP) | 「卒業時に、こんな力が身についている」という方針 |
アドミッション・ポリシー(AP)が最重要
3つの中で、志望理由書に最も役立つのはAPです。
APには、大学が求める人物像、必要な力、意欲が書かれています。つまり、大学が「こういう学生がほしい」と自分から公表しているのです。
これを読まずに志望理由書を書くのは、答えを見ずにテストを受けるようなものです。
APを読み、そこに書かれた学生像と、自分の志望動機・経験が重なる部分を見つけてください。その重なりを志望理由書に書けば、「この大学が求めている学生である」ことを示せます。
3つのポリシーは、どこにあるか
多くの大学では、公式サイトの「大学概要」「入試情報」「学部案内」などのページに載っています。
見つからないときは、検索エンジンで次のように検索してください。
(大学名)(学部名) アドミッション・ポリシー
それでも見つからない場合は、入試課に問い合わせるか、大学説明会で質問しましょう。質問すること自体が、志望度の高さを示す行動になります。
シラバスの探し方と読み方
シラバス(Syllabus)とは、各授業の詳しい説明書です。
「その授業で何を学ぶか」「どんな方法で学ぶか」「誰が担当するか」が書かれています。
志望理由書に具体的な授業名を入れるためには、シラバスを見るしかありません。
シラバスを見る5つのステップ
- 大学の公式サイトで「シラバス」を検索する。
または検索エンジンで「(大学名)(学部名) シラバス」と検索する
- 自分の興味がある分野の授業名を探す。
(例:「マーケティング論」「観光政策論」「比較教育学」など)
- 気になる授業をクリックして、担当教員・内容・到達目標を読む。
- 志望理由書に書けそうな授業を、2〜3個書き出しておく。
- 担当教員の名前を控えて、次の「教員紹介」ページで研究内容を調べる。
この5ステップだけで、志望理由書の質は大きく変わります。
教員名を書くときの絶対的な注意
シラバスで教員の名前を見つけたら、必ず研究内容まで調べてください。
理由は1つです。面接で聞かれるからです。
「△△教授のゼミに入りたい」と志望理由書に書いた学生に、面接官はこう聞きます。
「△△教授は、どんな研究をされていますか」
このとき答えられないと、名前だけ書いて調べていないことが、一目でわかります。
これは、志望理由書の中で最も痛い失点の1つです。教員名を書くなら、その先生の研究テーマ・論文・著書まで確認し、内容を理解してから書いてください。
調べていない教員の名前は、書かないほうがましです。
調べた情報は、どこに使うのか
集めた情報は、志望理由書の「なぜこの大学か」の部分で使います。
使える情報の例を挙げます。
- 授業名:「□□という授業で、〜を学びたい」
- 教員名と研究内容:「△△教授の○○研究に関心を持ち」
- プログラム名:「◇◇プログラムでは、実践的に〜できる」
- 学部の特色:「〇〇学部の特色である△△という学びに惹かれました」
- アドミッション・ポリシー:大学が求める学生像に合わせた書き方
これらのうち、最低でも1つか2つは志望理由書に入れてください。
1つも入っていない志望理由書は、「大学名を変えれば他大学にも出せる志望理由書」です。それが、最も評価されないパターンです。
調べるのに、どれくらい時間がかかるか
正直に言えば、1つの大学につき、2〜3時間は必要です。
多いと感じるかもしれません。しかし、考えてみてください。
これから4年間、通う大学です。人生を左右する選択です。それに対して2〜3時間の調査は、決して多くありません。
そして何より、この2〜3時間が、志望理由書の質を決めます。 ここを飛ばして書いた志望理由書は、どれだけ日本語を磨いても、中身が空っぽのままです。
まとめ
- 公式サイトの8つのページを見る
- 3つのポリシー、特にアドミッション・ポリシーを読む
- シラバスで具体的な授業名を見つける
- 教員名を書くなら、研究内容まで調べる
- 調べた情報を、「なぜこの大学か」の部分で使う
調べることは、才能ではありません。やるかやらないかだけです。
そして、やった人とやらなかった人の志望理由書は、審査する側が読めば、すぐにわかります。
PR
この記事の内容を、もっとくわしく知りたい方へ
日本の大学に合格する 志望理由書の書き方
「日本語は正しいのに、なぜか受からない」。
その理由は、日本語ではなく「中身」にあります。
入試の現場で見てきた「合格する人の書き方」を1冊にまとめました。
- 落ちやすい志望理由書の特徴 15パターン
- 重要なNG例と、その改善例 10パターン
- 12の分野別 例文集
- 自分の志望理由書を書き上げるワーク 13種類
- 提出直前チェックリスト
PDF/3,980円
あなたの国の教材を選んでください
※この記事について
- 本記事で紹介する内容は、大学の入試業務を通じて見てきた傾向をもとにしています。
- 審査の基準は大学によって異なり、合格を保証するものではありません。
- 具体的な出願要件は、必ず各大学の募集要項を確認してください。