留学生入試では、母国の学校の証明書や、日本で在籍している学校の書類などが必要になる場合があります。志望理由書が完成していても、必要な証明書がそろわなければ、出願を進められないことがあります。
準備は、大学の募集要項から書類を一つずつ書き出すところから始めましょう。原本・コピー・翻訳を分け、発行や認証にかかる時間を確認すると、何を先に頼むべきかが分かります。
まず大学ごとの書類一覧を作る
「留学生なら全員この書類を出す」という一つの一覧だけで準備を終えないでください。大学・学部・方式、国内在住か国外在住かによって、必要書類が異なります。
次の表は、要項を読むための整理例です。すべての大学で全項目が必要という意味ではありません。
| 書類の種類 | 確認すること |
|---|---|
| 母国の学校の書類 | 卒業・修了見込み、成績、対象となる学校 |
| 日本の在籍校の書類 | 在学・修了見込み、成績、出席に関する指定 |
| 外部試験の資料 | EJUの受験番号、JLPT等の証明書と対象回 |
| 大学の指定用紙 | 志望理由書、履歴書、経費支弁書など |
| 本人確認の資料 | パスポートや在留カードの必要な部分 |
大学のチェックリストがあれば、それを基本にします。要項の共通説明だけでなく、学部ごとの追加書類も確認してください。自分に不要な書類は、理由と一緒に区別しておくと整理しやすくなります。
書類の正式名称を確かめる
卒業証書と卒業証明書、成績表と成績証明書は、名前が似ていても同じ扱いとは限りません。学校から一度だけ渡された証書と、出願のために発行してもらう証明書を、大学がどう扱うか確認します。
卒業前の人は「卒業見込証明書」で出願できるか、いつまでに卒業する必要があるかを読みます。合格後に卒業証明書を追加で提出する条件も、出願時点で把握しておきましょう。
母国の学校へ依頼するときは、書類名、必要部数、言語、発行日や封印に関する大学の指定を伝えます。日本語の名称を直訳して依頼するだけでは、求める書類と違うものが届くこともあるため、要項の説明を確認してから頼んでください。
原本とコピーを分ける
原本は、発行元が正式に発行した書類です。自分でコピー機やスマートフォンを使って複製したものとは区別します。ただし、何を提出できるかは大学の指定によります。
コピーで出願できても、入学時には原本が必要になる場合があります。札幌学院大学の2027年度要項では、出願時にコピー可とする出身国の学校の書類と、入学に関わる原本提出の案内が分かれています。札幌学院大学要項のPDF3ページ
そのため、書類管理には「出願で提出するもの」と「後で必要なもの」の二つの欄を作ると便利です。出願が終わっても、手元の原本をなくさないようにしてください。
原本を提出できないときは認証の条件を確認する
卒業証書が一枚しかない、再発行できないなどの事情がある場合は、勝手に普通のコピーへ置き換えず、大学の説明を確認します。
大学によっては、原本と同じ内容であることを学校や公的機関が証明したコピーを求めます。「Certified True Copy」などの名称が使われることがあります。誰が証明できるか、署名や印が必要か、どの言語で証明するかまで確認しましょう。
明治大学の2027年度要項には、原本を提出できない場合のCertified True Copyの作成方法が示されています。この指定を、別の大学でも使える共通ルールだとは考えないでください。明治大学要項のPDF16ページ
依頼先に手数料を払う前に、その方法が志望大学の指定を満たすか確かめることが大切です。
翻訳だけでよいか 認証も必要か
証明書の言語が大学の指定と合わない場合は、翻訳が必要になることがあります。確認するのは「日本語へ訳せばよいか」だけではありません。
- 日本語と英語のどちらが認められるか
- 誰が翻訳を作成できるか
- 翻訳の内容を証明する認証が必要か
- 原文と訳文を両方出すか
- 認証された訳文の原本が必要か
たとえば明治大学の上記要項では、日本語・英語以外の証明書について、訳文と認証の手順が定められています。国や書類の発行元に応じた注意事項もあるため、「大使館ならどこでも対応してくれる」とは決めず、自分に該当する説明を読んでください。
翻訳会社の「大学出願に対応」という表示だけで、志望校の条件を満たすとは限りません。大学の指定を依頼先へ伝え、不明なら先に大学へ確認しましょう。
発行日 部数 封印の指定を見る
書類によっては、発行時期や有効な期間の指定があります。すべての証明書を一律に「何か月以内」と決めず、書類ごとに要項の条件を読みます。
必要部数も、受験する大学数と同じとは限りません。同じ大学への併願時に何部必要か、原本の返却があるか、封筒を開けてよいかなどを確認してください。
「厳封」とある書類は、発行元が封をした状態を求めるものです。確認のために開ける前に、大学の指定を確かめます。内容を把握するための控えが必要なら、発行元に別の写しを用意できるか相談しましょう。
原本返却の有無が不明なまま、一枚しかない証書を送るのは避け、大学の返却申請の案内を確認してください。
氏名と学歴の表記をそろえる
書類を集めたら、パスポート、学校の証明書、試験の成績資料、Web登録の氏名がどう記載されているかを並べます。
長い氏名、省略、姓と名の順序、アルファベットの表記などに違いがあるときは、自分で証明書を書き直したり、画像を加工したりしないでください。大学に、表記の違いを説明する資料や手続きが必要か確認します。
学歴は、学校名、国・地域、入学と修了の時期、卒業・在学などの状態を整理します。学校を移った経験や、飛び級・休学がある場合も、履歴書と証明書の関係を説明できるようにしておきましょう。
準備の順番と進み具合を管理する
最初に要項の条件を確認し、その後で発行元へ依頼します。証明書を受け取り、内容を確かめてから、必要な翻訳・認証を進める流れを考えましょう。依頼先の指定によっては、手順が変わる場合もあります。
| 書類名 | 大学の指定 | 今の状態 | 次にすること |
|---|---|---|---|
| 卒業に関する証明書 | 原本・言語などを記入 | 発行依頼中 | 受取予定日を確認 |
| 成績に関する証明書 | 対象期間を記入 | 受領済み | 氏名と内容を確認 |
| 訳文・認証 | 作成者の条件を記入 | 未依頼 | 指定を伝えて相談 |
| 在籍校の書類 | 期限と部数を記入 | 申請前 | 学校窓口へ申請 |
「依頼した」と「受け取った」は別の状態です。受取予定日と大学の書類締切を比べ、時間が足りない可能性があれば早めに相談します。
大学へ質問するときに伝えること
手元にある書類を整理するときは、学校名と書類名が分かるファイル名を付けておくと便利です。原本、コピー、翻訳を同じ名前で上書きせず、別々に保管します。スキャンを保存しておくことと、大学が求める正式な書類を提出することは別なので、保存用の画像だけで準備が済んだと考えないようにしましょう。
問い合わせには、入学年度、学部・方式、確認した要項のページ、現在持っている書類の名前と発行元、分からない条件をまとめます。必要な個人書類の送り方は、大学が指定する方法に従ってください。
必要書類を整理できたら、志望理由書の基本構成など、内容を考える準備も進めましょう。出願先の公式案内は、全国・地域別の留学生入試情報から探せます。
※この記事について
確認日:2026年10月14日。書類・翻訳・認証の指定は大学、学部、出身国や教育歴によって異なります。本文の大学例は2027年度要項に基づきます。個別の書類が受理されるかは、志望大学に確認してください。