進学対策

「学費はどう準備しますか」に留学生が答えるときの注意点

留学生の面接で、必ず聞かれる質問があります。

「学費や生活費は、どのように準備しますか」

日本人の受験生は、ほとんど聞かれません。留学生だけが聞かれる質問です。

そして、多くの留学生が、この質問への答え方に迷います。

「お金の話をされて、どう答えればいいのかわからない」 「アルバイトのことを言っていいのだろうか」 「奨学金をもらう予定だと言うと、印象が悪くなるのでは」

この記事では、この質問の意図と、答えるときの注意点を説明します。

なぜ、この質問をするのか

まず、大学がなぜこれを聞くのかを理解してください。

意地悪をしたいわけではありません。お金持ちの学生を探しているわけでもありません。

大学が確認したいのは、「大学生活を安心して続けられる経済的な基盤があるか」、この1点です。

もう少し具体的に言うと、大学は次の2つを心配しています。

心配1:学費が払えず、途中でやめてしまわないか

大学にとって、入学した学生が途中でやめてしまうことは、大きな問題です。本人にとっても、それまでの時間とお金が無駄になります。

心配2:アルバイト中心になり、学業がおろそかにならないか

これが、実は最大の懸念です。

留学生には、アルバイトの時間制限(週28時間)があります。しかし、生活費が足りないと、そのルールを超えて働いてしまう学生が出てきます。

すると、授業に出られない。課題ができない。単位が取れない。結果として、退学や在留資格の問題につながります。

大学は、それを未然に防ぎたいのです。

この質問で「落とされる」わけではない

まず、安心してください。

経済的に余裕がないことが、それ自体で不合格の理由になるわけではありません。

多くの留学生が、家族の支援と奨学金とアルバイトを組み合わせて、大学に通っています。それは、まったく普通のことです。

問題は、「準備の計画が現実的でないこと」です。

つまり、この質問は「お金があるか」を見ているのではなく、「見通しを立てられているか」を見ています。

答えるときの注意点

ここからが本題です。

注意1:「なんとかなります」は最悪の答え

「アルバイトを頑張ります」 「大丈夫です、なんとかします」

これは、最も評価されない答え方です。

計画がないことを、自分から宣言しているのと同じだからです。大学は「この学生は、来年の学費のあてもないまま入学しようとしている」と受け取ります。

注意2:アルバイトを「主な財源」にしない

アルバイトをすること自体は、まったく問題ありません。多くの留学生がしています。

しかし、「学費はアルバイトで稼ぎます」と答えるのは危険です。

週28時間の制限の中で、日本の大学の学費を全額稼ぐことは、現実的ではありません。それを主な財源として答えると、「計算ができていない」または「制限を超えて働くつもりだ」と受け取られかねません。

アルバイトは、「補助的な位置づけ」として話してください。

注意3:奨学金は、正直に言ってよい

「奨学金をあてにしていると言うと、印象が悪いのでは」

そう心配する学生がいますが、逆です。

奨学金を調べ、申請を計画していること自体が、「きちんと準備している学生」の証明になります。

ただし、1つだけ注意があります。「奨学金がもらえる前提」で計画を立てないでください。

奨学金には審査があります。全員がもらえるわけではありません。「奨学金が取れなかった場合はどうしますか」と聞かれたときに答えられないと、計画の甘さが露呈します。

注意4:具体的な数字を持っておく

この質問に強く答えるための鍵は、具体性です。

  • 学費が年間いくらか
  • 生活費が月にいくらかかるか
  • 家族からの支援はいくらか
  • 奨学金はいくらを想定しているか
  • アルバイトでいくら補うか

これらの数字を把握している学生は、答えに説得力があります。数字を知らない学生は、どんなに言葉を尽くしても、「調べていない」ことが伝わります。

答えの「型」

答えの組み立て方は、次の順序が基本です。

  1. 主な財源を示す(家族の支援など)
  2. 補助的な財源を示す(奨学金・アルバイトなど)
  3. 計画が現実的であることを示す(具体的な数字や見通し)

この順で話せば、「準備ができている学生」として伝わります。

逆に、いきなりアルバイトの話から始めたり、「頑張ります」という精神論で終わったりすると、不安を与えます。

家庭の事情は、正直に話してよい

最後に、大切なことをお伝えします。

この質問に対して、うそをつく必要はまったくありません。

裕福でない家庭の学生は、たくさんいます。家族の支援が限られている学生もいます。それは、恥ずかしいことでも、隠すことでもありません。

大学が見ているのは、あなたの家庭の経済状況ではなく、あなたの計画性です。

限られた条件の中で、どう考え、どう準備し、どう乗り越えようとしているか。それを誠実に話せる学生は、むしろ強い印象を残します。

「入学したら、どうやって学び続けるつもりですか」

この質問に、自分の言葉で、現実的な計画をもって答えられること。それが、大学が求めている答えです。


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