大学の費用を比べるとき、授業料の数字だけを見ていませんか。入学する年には、入学金や授業料以外のお金も必要になる場合があります。
比較するときは、同じ年度・学部・一年間の金額をそろえ、いつまでに払うかも確認しましょう。初年度の合計、入学手続きで最初に払う金額、その後の支払いを分けると、家族と資金の相談がしやすくなります。
初年度学費は授業料だけとは限らない
大学の学費表には、入学金、授業料、教育・施設に関する費用、実験実習費、その他の諸費など、複数の費目が並ぶ場合があります。呼び方や必要な費用は大学・学部によって異なります。
JASSOの留学費用案内でも、入学金・授業料に加えて、受験料、教材費、実習費などが必要になる場合があると説明しています。JASSO 留学費用
大学が「初年度納入金」としてまとめている場合は、その合計に何が含まれるかを確認してください。合計の数字と内訳の数字を両方足すと、同じ費用を二重に数えてしまいます。
比べる前に四つの条件をそろえる
第一に、入学年度をそろえます。2027年度に入学するなら、2027年度入学生に適用される金額か確認してください。
第二に、学部・学科をそろえます。同じ大学でも、実験や実習の内容などによって費用が異なることがあります。
第三に、期間をそろえます。半期の金額と一年間の金額を並べても、比較できません。「春学期」「秋学期」「年額」の表記を読みます。
第四に、含まれる費目をそろえます。一方は授業料だけ、もう一方は入学金や諸費を含む金額、という表なら、同じ項目を抜き出して比較し直します。
2027年度要項に前年の参考額が載ることもある
募集要項の表紙が2027年度でも、学費の欄まで確定した2027年度の金額とは限りません。表の見出し、注記、更新のお知らせを確認してください。
関西学院大学の2027年度外国人留学生入試要項では、学費の欄に2027年度の費用が未定であることを示し、2026年度入学生の金額を掲載しています。この資料に載る参考額を、そのまま2027年度の確定額として扱わないことが大切です。関西学院大学要項のPDF22~23ページ
大学が後から確定額を公表することもあるため、出願・入学手続きの時点で最新の学費案内を確認します。前年の資料しか見つからない場合は、「参考額」として区別し、大学へ確認しましょう。
比較表には金額の根拠も残す
次の表を、自分が受ける大学の資料を見ながら埋めてください。
| 確認項目 | A大学 | B大学 |
|---|---|---|
| 入学年度・学部・学科 | 対象を記入 | 対象を記入 |
| 入学金 | 金額と支払期限 | 金額と支払期限 |
| 年間授業料 | 半期表示なら年額を確認 | 半期表示なら年額を確認 |
| その他の必須納付金 | 費目ごとに記入 | 費目ごとに記入 |
| 初年度合計 | 内訳との二重計上に注意 | 内訳との二重計上に注意 |
| 含まれない費用 | 教材・機器等を確認 | 教材・機器等を確認 |
| 公式資料と確認日 | URL・資料名・ページ | URL・資料名・ページ |
不明な金額を、0円で埋めないようにしましょう。「未公表」「個別に必要」「要確認」など、分かっている状態を残します。数字がそろわないときは、何が不足しているかも家族に伝えられます。
計算するときの二重計上に注意する
次は計算方法を示す架空の例です。実在する大学の学費ではありません。
入学金20万円、年間授業料85万円、その他の年間必須納付金20万円であれば、これらの合計は125万円です。
同じ資料に「初年度合計125万円」と載っているからといって、さらに125万円を足す必要はありません。また、年間授業料85万円に加えて、内訳の春学期分・秋学期分をもう一度足さないようにします。
表の数字が合わないときは、学科別の追加費用、入学時のみ払う費用、選択する科目で変わる費用などの注記を見ます。理由が分からなければ、自己判断で数字を直さず大学へ確認してください。
初年度合計と最初の支払いを分ける
年間合計が分かったら、次にいつ払うかを整理します。入学手続きで払う費用と、入学後の学期ごとの支払いが分かれている場合があります。
一年分の資金を用意できる見通しがあっても、最初の納付期限までに必要額が手元になければ困ります。合格発表、納付期限、家族から資金を受け取る日を並べて確認しましょう。
複数大学へ手続きする可能性がある場合は、それぞれの最初の支払額を別に書きます。一つの大学へ払うお金を、別の大学にも同時に使えるものとして数えないでください。
奨学金と授業料減免を先に引かない
奨学金や授業料の減免を調べることは、資金計画に役立ちます。ただし、申請できることと、採用が決まっていることは別です。
比較表には、まず制度を利用する前の必要額を書きます。その後で、対象者、採用条件、申請時期、支給・減免の時期、継続条件を確認してください。後から支給される奨学金なら、最初の支払いにそのまま使えるとは限りません。
「受給決定済み」と「申請予定」を分けて表示すると、確実に使える資金が見えます。入学後の成績などを条件とする制度は、翌年以降も同じ金額を受け取れると決めないようにしましょう。
大学へ払うお金以外の費用も用意する
初年度学費の比較表とは別に、受験料、証明書・翻訳、郵送、受験の交通・宿泊、入居の初期費用、毎月の生活費を整理します。
パソコンや教材など、大学・授業の指定がある場合も確認してください。買う前に必要な仕様や案内を読めば、同じものを買い直すことを避けやすくなります。
家賃や食費まで学費の欄に混ぜると、大学の納付金を比較しにくくなります。「大学への支払い」「受験・入居の一時的な支出」「毎月の生活費」を分け、その後で全体の必要額を見ましょう。
二年目以降と卒業までの費用
初年度は入学金があるため高く見えても、二年目以降の授業料や諸費が同じとは限りません。大学が複数年の費用を公表している場合は、年次ごとの金額を確認します。
卒業までの費用を考えるとき、初年度合計をそのまま4倍するのは避けてください。修業年限が4年とは限らない学部もあり、実習・資格・留学プログラムなどの別の費用が必要な場合もあります。
将来の変更が予定されているか、現時点で公表されていない部分があるかも読みます。確定している金額と参考情報を分け、変わる可能性がある部分を家族と確認しましょう。
不明な費用を問い合わせるとき
大学へ質問するときは、入学年度、学部・学科、確認した学費表のページ、知りたい費目を伝えます。「いくらですか」だけでなく、「この合計に実験実習費は含まれますか」「入学手続き時に必要な額はどの欄ですか」のように、疑問を分けて確認しましょう。
出願前に家族と共有すること
- 対象年度・学部の、確認できた初年度の必要額
- 入学手続きで最初に払う金額と期限
- その他の受験・入居・生活の費用
- 奨学金等で決定しているものと、申請予定のもの
- 併願先へ手続きする可能性と、辞退・返還の条件
費用を確認したうえで、学費の準備について面接で答えるときの注意点も読んでみてください。受験先の公式案内は全国・地域別の留学生入試情報から探せます。
※この記事について
確認日:2026年10月14日。費用項目はJASSOの案内等を参考にしています。関西学院大学の例は当該PDF内の掲載年度を示すものです。金額の計算例は架空です。実際の費用・納付・減免・返還条件は、対象年度の大学公式資料で確認してください。